近年、内科学の著しい進歩に伴い、循環器病や呼吸器病、消化器病、神経病学など、それぞれの専門医による高度専門医療が大きな病院で行われるようになってきました.もちろん急性心筋梗塞や脳梗塞・くも膜下出血など、それぞれの専門医でなければ対応できない疾患が多々あることは明らかです.しかしながら、患者さんの立場で考えてみると、自分が何の病気で熱が出ているのか、咳が出るのか、胸が痛いのか、動悸が起こっているのか、あるいはお腹が痛いのか、まったく分からない状態で来院されます.幸い、ほとんどの場合、数日間の内服治療や点滴治療で症状が良くなり、治ってしまう訳ですが、時には専門医療機での治療が望まれるケースにも遭遇します.また、初診時には簡単に診断のつかない疾患や、どの専門分野でもカバーしきれない疾患、膠原病に伴う間質性肺炎など複数の領域にまたがる疾病を抱えるケースも経験されます.このように当院では患者さん目線で、感冒などはもちろんのこと、症候に隠された重篤な疾患の可能性を極力、検討し、必要な医療を納得いただくよう説明の上、対応させて頂きます.また必要があれば可及的速やかに高度医療機関に紹介いたします.
昨今の疾患はその多様性を呈し、クリニックの外来設備である採血検査や尿検査、胸部レントゲンや心電図、超音波などを駆使しても、即日に診断が出来ないものも多くなっています。そこを担当医師の経験値や研鑽によって補うのですが、大きく緊急性の疾患と通常の急性、慢性疾患と分類して治療をしております。多くの疾患の中にある極まれな緊急性を要する疾患を見逃さないのが、医師である勤めの最も大きな部分であると思います。
緊急性を除いて、急性期疾患には短期で改善しうる必要最低限の薬を処方させて頂いています。人間の体には自浄力があり、クリニックで処方する薬は単にその自浄力を補助するための物という認識です。いたずらに無用な薬を処方し、潜在的な薬物過多になる事だけは防がなければいけません。それと同時に慢性疾患に対してもその動向を推察して、社会生活に影響が出ないよう、最低限の来院回数でコントロールできるよう、患者様の私生活を最大限考慮して治療にあたっています。
外来診療:
当院内科の初診患者さんのうち、症状・症候から専門治療を必要とすることが明らかなケース以外は内服・点滴治療を外来で行います.詳しくお話をお伺いし、身体の診察、採血、検尿、必要に応じて心電図、レントゲン撮影、超音波装置を駆使することにより早期診断を目指します.さらに専門治療の必要性が明らかになった場合には高度医療機関と連携して対応させて頂きます.
再診患者さんには必要に応じて適宜、採血を行いながら、処方を行います.
また時には内服薬の変更をお勧め致しますが、可能な限り、ご納得頂くよう説明の上、処方させて頂きます.